黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、白鳥バレエのプリマバレリーナ、白鳥五十鈴が出演。「白鳥バレエ団」について語った。
黒木)今週のゲストは鹿児島を拠点に活動されている白鳥バレエ、プリマバレリーナの白鳥五十鈴さんです。プリマバレリーナという、プリマでいらっしゃいますけれども。
白鳥)いやいや。それを名乗らされて、いま10年くらいです。母から襲名しました。
黒木)白鳥バレエは1949年、鹿児島で創立されたバレエ団でいらっしゃいます。鹿児島を拠点に国内、海外でバレエの魅力を発信し、鹿児島にクラシックバレエを根付かせたという、とても大きな存在です。10年前に襲名なさったということは、そこのプリマになられたということですか?
白鳥)少し前から、いろいろな役を“野村五十鈴”という本名で躍らせていただいたのですが、白鳥のカラーを受け継ぐ者として、“白鳥”という名前を襲名するということで、そうなりました。
黒木)もともとはお母さまが、白鳥みなみさんといって。
白鳥)そちらも芸名なのですが、白鳥会という団だったので、そこから白鳥という、南の白鳥の意味合いで母の芸名が付いたそうです。
黒木)その白鳥バレエは、今年(2019年)で創立70周年ということです。
白鳥)戦後の本当に何もない時代に、大陸のほうから東京にバレエが入って来て、その1年後くらいに鹿児島にも上陸したそうです。その時期に、白鳥みなみの師である島克平先生という方が鹿児島でバレエ教室を開かれて、当時から独創的な作品を上演していたみたいです。ベートーヴェンの『運命』や日本の作品、神話を題材にしたものなど、いろいろつくられていたそうです。
黒木)有名な『くるみ割り人形』や『白鳥の湖』などがありますが、それもおやりになりながら、オリジナルの和の題材を取り入れたクラシックバレエを上演していたということですか?
白鳥)そうですね。母の師の時代からそれはあったようです。
黒木)70周年の記念公演は『平家物語』が上演されるということですが、平家物語をバレエで。
白鳥)バレエは日本で生まれたものではないので、白いタイツを履いた王子様のような西洋踏襲ばかりしていても、ヨーロッパの人にはかなわない。母がこだわったのは、日本の男性の武士のかっこよさや女性の美しさというものを、綺麗なバレエで表現できないだろうかという部分からだったと思うのです。母が平家物語をつくったのは40代ですかね。ダンサー生命のことを考えると、自分の集大成となるようなものをつくろうと思ったはずです。そうしたときに、源氏物語と平家物語が候補にあがったのですが、男性も女性の雅も描いている一大叙事詩である、平家を上演しようとしたようです。
黒木)初演が1990年。評価を得て来たオリジナル作品ですが、今回、全3幕が上演されます。すべてやられるのは10年ぶりだそうですね。
白鳥)休憩を抜いて、1時間30分くらいだと思います。