黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に白鳥バレエのプリマバレリーナ、白鳥五十鈴が出演。11月30日に上演される『平家物語』について語った。
黒木)今週のゲストは白鳥バレエ・プリマバレリーナの白鳥五十鈴さんです。よろしくお願いします。11月30日に鹿児島市民文化ホールで上演の『平家物語』。白鳥バレエ創立70周年記念公演ということです。
白鳥)今回の『平家物語』は、オーケストラの素晴らしさがあります。その反面、息を合わせなくてはいけない部分、踊りやすいテンポや情感も含めて、踊る方は大変です。お客様は生演奏と踊りということで、共鳴されるようです。バレエ以外の部分では、照明もとても素晴らしくなっています。足立恒さんという、バレエ界の第一人者の照明の方を、鹿児島までお呼びしています。平家の世界、例えば悪霊の刑があるときにどんな照明になるのか、雅な世界から落ちて行くところを、照明の加減で情感が豊かになる。その舞台の様子を自分も観るのが楽しみです。
黒木)舞台で心がけていることは何ですか?
白鳥)バレエを小さいころからやっていて、これは反面教師なのですけれど、好きな舞台を生で観たときに、なぜこんなに感動しないのかと思うことがあるのです。この演目はとても素晴らしいのになぜだろうと。舞台の効果から、美術の壁に貼っている蔦蔓の雰囲気まで、手を抜いてはいけない。お客様は幕が開いたその瞬間から、非日常を味わえるところへいらっしゃっているのに、それを味わわせないで帰してしまう上演だけはしたくないと思うのです。私たちのやっている生の舞台は、一瞬で消えてなくなるものにお金を費やしている。だからそこに全身全霊をかけなくてはいけないと思います。
黒木)踊りっぱなしでしょうから、相当な体力と熱量が必要ですよね。
白鳥)そうですね。
黒木)鹿児島市民文化ホールというのは、鹿児島市内にあるのですか?
白鳥)鹿児島市内の、桜島を背景にした景色の綺麗な舞台です。
黒木)そうなのですね。地元の方もたくさんいらっしゃるでしょうし、他県からも。
白鳥)他県からも是非、この作品を観に来ていただきたいと思います。
黒木)白鳥バレエ創設70周年記念公演の平家物語は、11月30日に鹿児島市民文化ホールで上演です。今後はどのような目標や夢を持っていらっしゃいますか?
白鳥)私は3代目になるのですけれど、こういう日本人の感性、西洋の美と日本の心の融合を目指した作品を継承しつつ、新たな世代がまた新しいものを作れるような環境を、白鳥バレエでつくって行きたいと思っています。